お肉の豆知識1【枝肉の格付けと等級について】
<牛肉の格付>
■日本では、食肉市場や食肉センターで牛枝肉の取り引きがされますが、その際に食肉の評価・品質のチェックをするために(社)日本食肉格付協会が行う日本全国共通のランク付けがあります。
■このランク付けのことを「枝肉取引規格」といい、食肉を適正価格で取引する上での客観的な指標となり、安定した価格形成のためには重要な基準となります。
■日本で現在行われている牛枝肉の格付は、 以下の2種類です。
1.歩留等級(枝肉から骨を取り除きどのくらいの肉がとれるかの優劣A・B・C の3種類)
2.肉質等級(脂肪交雑基準(霜降の度合)、肉の色、肉のきめ締まり、脂肪の色沢・光沢の4種類の総合的な評価 5~1までの5種類)
上記の2つの分離評価方式で行われ、両方の総合評価で格付がなされます。
まずは、1の「歩留 等級」の説明です。
■歩留等級・・・
ロース心面積、バラ肉の厚さ、枝肉重量、皮下脂肪の厚さの四項目の数値を定められた計算式に入れて計算し、標準より良いものを「A」、標準のものを「B」、標準より劣るものを「C」の三等級に区分されます。
規格と等級の表示
歩留まり等級 | 肉質等級 | ||||
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
A | A5 | A4 | A3 | A2 | A1 |
B | B5 | B4 | B3 | B2 | B1 |
C | C5 | C4 | C3 | C2 | C1 |
次は2.の「肉質等級」をみていきます。
■肉質等級・・・
肉質等級には、「脂肪交雑 」「肉の色沢」、「肉の締まり及びきめ」、「脂肪の色沢と質」があり、この4項目で評価し、総合的な判定から肉質等級を決めます。
●「脂肪交雑」とは
筋肉組織への脂肪の蓄積を脂肪交雑=サシ(肉の霜降りの度合い)といいます。
筋肉細胞に沈着する脂肪の量を「BMS基準(脂肪交雑基準)」の1~12段階の基準により5~1の5等級に区分されます。(下記写真はNo1~No12より抜粋例)
●「肉の色沢」とは
色と光沢を7段階に分け「BCS」で判定し、かなり良いものから劣るものまで5等級に区分されています。
●「肉の締まり及びきめ」とは
筋肉中の水分が脂肪に置き換えられた状態の保水性の高いものを締まりで判定し、きめは筋肉束の太さで判定し5等級に区分します。
●「脂肪の色沢と質」
光沢、質を複合して7段階の基準が定められ等級を判定します。